内耳炎(ないじえん)とは、何らかの原因で内耳に発生した炎症のことである。内耳は、音を感知する部分であり、かつ、重力の向きと加速度を感知する部分であるために、内耳炎は、音の感知に影響を及ぼして難聴を生ずるだけではなく、平衡覚、回転覚にも影響を及ぼしてめまいなども生ずる。
内耳炎は、内耳の周囲からの細菌感染やウイルス感染といったことが原因で発生する。他、中耳にできた真珠腫が原因になることもある。
内耳には、音を電気信号に変換する、つまり聴覚に関わっている蝸牛や、重力の向きを電気信号に変換する、つまり平衡覚に関わっている前庭や、加速度を電気信号に変換する、つまり回転覚に関わっている三半規管があるため、ここに炎症が起こると、これらの感覚の感度などに悪影響を受ける。
内耳の炎症が原因で起こる音に対する感度の低下に伴う難聴についてだが、これを換言すると、内耳が原因の感音難聴が起きた状態、すなわち、内耳性難聴が起こった状態だと言うことができる。内耳炎には、その原因による分類も存在し、ウイルス感染によって起こるウイルス性内耳炎、髄膜炎から炎症が広がって起こる髄膜炎性内耳炎、中耳炎から炎症が広がって起こる中耳炎性内耳炎といったものがある。これらは全て、内耳炎の結果によって感音難聴が起こるわけだが、中耳炎が起きている場合には基本的に伝音難聴も生じているので、中耳炎性内耳炎については、感音難聴と伝音難聴とを併発した混合難聴 ...
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