ヒゲハリスゲ属 Kobresia は、カヤツリグサ科に含まれる小型の草本の群である。スゲ属に似るが、果胞が袋状にならない。
小形の多年草で、多くのスゲ属と同様、細い葉を根出状に出す。花茎の先に多数の小穂をつける。花序は、大抵は細い穂状花序をなす。
小花は単性。雄花は鱗片に包まれた雄蘂三本からなる。雌花は鱗片の内側に雌蘂があるが、その間、主軸の側にもう一つの鱗片があり、雌蘂を覆うように発達する。その程度は様々で、包み込んでいるだけのものから、反対側で互いに融合して筒状になるもの、更に融合が進んで袋状になり、口の部分が斜めに裂けている程度のものまである。また、果胞の内側から枝が伸びてさらに花をつける例もある。
学名はドイツの植物採集家である Paul de Cobres にちなむ。和名は日本産の種の細くて硬い感じから牧野富太郎が命名したものである。
ユーラシア大陸の高地と局地に分布する。特にヒマラヤ地方に種が多い。種数は30ほど、ただし文献によって差がある。
日本では北海道と本州の高山にヒゲハリスゲ Kobresia bellardii の一種のみが生育する。
上記のように、この属はスゲ属と近縁とされる。 ...
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