遠位型ミオパチー(えんいがた - 、Distal Myopathy)とは胸・腰など『駆幹』や上腕・大腿部など『躯幹』から離れた部位から筋肉が萎縮していく病気である。ミオパチー(Myopathy)とは単に筋肉の病気(筋疾患)のことを呼び、筋ジストロフィーやミオパチーが含まれる。しかし、医学的に筋疾患の患者さんの筋細胞膜の構造をみるとDystrophy(ジストロフィー)とMyopathy(ミオパチー)に分類されていて、筋疾患で言うミオパチーと病名でのミオパチーには違いがある。筋疾患には、体幹に近い部位から侵されるもの(近位型、proximal)と体幹から離れた部位から侵されていくもの(遠位型、distal)が存在すると報告されている。デュシェンヌ型筋ジストロフィーなど体幹から近い所の筋肉が萎縮する疾患を近位型、手足の先の方から筋肉が萎縮する疾患を遠位型として報告されているが、遠位型で報告されている3つの病気の病状には違いがあり必ずしも遠位型とは言えない。近年、遠位型ミオパチーは病名と言うよりは病気の進行をあらわしたものと見られている。
遠位型ミオパチーという疾患は1902年に最初の記述がある。もちろん、当時は遠位型ミオパチーという病気の概念はなく、筋力の低下を伴ったある患者の症例報告にすぎない。この患者は手足の末端(distal)の方に顕著な筋力の低下が見られ、当時としては非常に珍しい症状であったため、Gowers ...
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