プロテウス症候群 (プロテウスしょうこうぐん、Proteus syndrome) は遺伝学的背景を持つ希少疾患で、3つの胚葉の全てで組織の過成長が引き起こされる可能性がある。プロテウス症候群の患者は、胎児性腫瘍のリスクが増大する傾向がある。プロテウス症候群の臨床的・放射線医学的症状は非常に多様であるが、特有の整形外科的な症状が存在する。プロテウス症候群という名前は、姿を変えることのできるギリシアの海神プローテウスに由来する。プロテウス症候群は、1976年にSamia TemtamyとJohn Rogersによってアメリカの医学文献に最初に記載されたようであり、マイケル・コーエンによって1979年にも記載された。世界中でわずかに200を超える程度の症例が確認されているだけであり、現在約120人がこの病気を抱えていると推計されている。診断が最も容易なのは最重度の変形が生じた人々である。軽症状態が存在する可能性があり、まだプロテウス症候群と診断されていない人々は多く存在する可能性がある。
プロテウス症候群では、皮膚、骨、筋肉、脂肪組織、血管、リンパの過成長が生じる。プロテウス症候群は進行性の疾患で、通常は外観上明らかな異常がない状態で出生する。皮膚や骨の腫瘍は、典型的には小児期の初期に出現する。プロテウス症候群の診断には筋骨格系の症状が重要である。非対称的な成長が生じる箇所やその重症度はきわめて多様であるが、典型的には頭蓋骨、四肢のいずれか、足の裏が影響を受ける。この疾患と関連した血管異常による深部 ...
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