カドミウム中毒(カドミウムちゅうどく)は、カドミウムによる中毒。カドミウムは人体の構成に不可欠な物質ではない。カドミウムとその化合物は低濃度でも極めて強い毒性を示し、生物の体内や生態系で生物濃縮を引き起こす。カドミウムの曝露許容量は低く、微量のカドミウムしか存在しない場所でも過剰曝露が発生することがある。
カドミウムは産業現場でよく用いられる極めて毒性の強い金属である。カドミウムは電気めっきにおいて広く用いられるが、電気めっき工程それ自体が過剰曝露を引き起こすわけではない。カドミウムは一部の工業用塗料にも含まれ、塗料の噴射により危険を生じることがある。カドミウム含有塗料を、きさげ作業(スクレーピング)やブラスト処理によって除去すると、深刻な危険を伴う可能性がある。またニッケル・カドミウム電池など電池の種類によっては製造時にカドミウムが用いられるものがある。カドミウム曝露への対処は、工業全般、造船、建設、農業の各分野ごとに所定の基準に従って行う。
1950年代から1960年代にかけてはカドミウムの高レベルの産業曝露がみられたが、カドミウムの毒性が明らかになるにつれ、ほとんどの先進工業国では産業規制によりカドミウムの曝露を減少させた。しかしさらに曝露を減少させる必要があるという点で多くの国の行政当局の見解が一致している。 ...
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