コウボウシバ Carex pumila はカヤツリグサ科スゲ属の植物の1つ。海岸性で砂浜に生える。シオクグに似ているが背が低いことで区別できる。ただし紛らわしい場合もある。
背の低い多年生の草本。地下には横に走る長い根茎があり、地上茎は間を置いて出る。葉は細長く、花茎より長く伸び、幅は2-5mmで、深緑色をしており、縁はざらつく。基部には葉身のない葉鞘がある。基部の葉鞘は朱紫色をしており、糸網を持つ。
花期は5-6月。花茎は高さ10-30cmほどで、断面は3稜形をしており、ざらつくというが、ざらつかないとの記述が多い。花序は頂小穂が雄性で、その下に続いて2-4個の雄小穂があり、さらにその下に2-3個の雌小穂がある。雄小穂は上を向き、花茎に沿って伸び、雌小穂はやや下方に集中して付く。花茎の苞は葉状の葉身が長く発達し、基部には短い鞘がある。先端部に集まる雄小穂は線形から棍棒状で長さ2-3cm、柄がある。雄花鱗片は黒褐色で先端は鋭く尖る。雌小穂は短い柱状で長さ1.5-3cm、柄があり、果胞は密集して付く。雌花鱗片は果胞とほぼ同じ長さで、全体に褐色で中肋は緑色、先端は鋭く尖るか中央が芒として突き出す。果胞は長卵形で長さ6-8mm、脈は数多く、表面は無毛で光沢がある。先端部は次第に狭まって短い嘴の形に突き出し、その先端には鋭い2歯がある。また果胞の膜は非常に厚くなって厚膜質、乾燥すると褐色になる。果胞はコルク質である点は、海岸性のこの種が海流分散によって分散することに適応しているの ...