モミ属(学名:Abies)は、マツ科の属の1つで、北半球の寒冷地から温帯にかけて、約40種が分布する。
樹形は生育条件にも左右されるが、円錐状のクリスマスツリー形となることが多い。幹の同じ高さから輪を描くように枝を四方八方に出す(輪生)。樹皮は灰白色から褐色のものが多く、若いうちは平滑で成長するにつれて鱗状に細かく割れる種が多いが、中にはかなり高齢でも平滑なままの種や縦に割れる種もある。一般にはマツ属(Pinus)の大多数の種ほど樹皮が発達し深く割れることは無い。若い平滑な樹皮にはサクラやカンバの皮目のような横筋模様が目立つ。これは呼吸目的の皮目とは異なり樹皮直下に樹脂が溜まったものでヤニ玉、ヤニ袋などと呼ばれる。
枝はマツ属(Pinus)やヒマラヤスギ属(Cydrus)などと違い長枝と短枝の区別はなく、葉は長枝のみに付き形は針状で生え方は散生で何れも常緑、葉の感じはトウヒ属(Picea)に似るが、葉の付く部分の枝に凹凸(葉枕)は発達しない。葉の付き方も種によって異なり、中には枝が見えないほどびっしりと立体的に密に葉を付ける種もある。若い枝には毛が生える種もある。
雄花は小さなラグビーボール形で多数群生して生え、この点はマツ属と似ている。トウヒ属、ツガ属(Tsuga)の各種は雄花は一か所に付き一つしか形成されない。雌花は枝の先端に上向きに形成され、受粉後上向きに立ったまま球果になる。若い球果の色は黒色、緑色、褐色など様々であり、熟した時にも褐色 ...