オオムギ(大麦、学名 Hordeum vulgare)はイネ科の穀物。中央アジア原産で、世界でもっとも古くから栽培されていた作物の一つである。小麦よりも低温や乾燥に強いため、ライ麦と共に小麦の生産が困難な地方において多く栽培される。
「オオムギ」は漢名の「大麦(だいばく)」を訓読みしたものである。「大」は、小麦(コムギ)に対する穀粒や草姿の大小ではなく、大=本物・品質の良いもの・用途の範囲の広いもの、小=代用品・品格の劣るものという意味の接辞によるものである。大豆(ダイズ)、小豆(アズキ、ショウズ)、大麻(タイマ)の大・小も同様である。伝来当時の漢字圏では、比較的容易に殻・フスマ層(種皮、胚芽など)を除去し粒のまま飯・粥として食べることができたオオムギを上質と考えたことを反映している。
また、オオムギをはじめ、コムギ、エンバク、ライムギ、ハトムギなど、姿の類似した一連の穀物を、東アジアでは総称してムギと呼ぶ。こうした総称はヨーロッパには存在せず、barley(大麦)、wheat(小麦)、oat(燕麦)、rye(ライ麦)のようにそれぞれの固有名で呼ぶのみである。
穂の形状の違いから、主に二条オオムギ(二条大麦、H. ...