ユーカリはフトモモ科ユーカリ属(Eucalyptus)の樹木の総称。常緑高木となるものが多い。
和名のユーカリは、属名の英語読み「ユーカリプタス」を短縮したもの。学名の語源は eu-(真に・強く・良く)+ kalyptós(〜で覆った)、つまり「良い蓋」を意味するギリシア語をラテン語化したもの。蕾のがくと花弁が合着して蓋状となること、あるいは乾燥地でもよく育って大地を緑で被うことに由来して命名されたとされる。中国語や漢語では「桉樹」と書く。
なお、Corymbia、Angophora 等の近縁の数属もユーカリに含めることがある。
オーストラリア南東部や南西部、タスマニア島におもに分布する。後述のように、世界各地で移植・栽培されている。ユーカリには500種類もあり、変種も含めると800から1000もの種類になる。成長がとても早く、材木として注目される。70メートルを超える高さになるものから、5メートル程で枝分かれする種類もある。コアラの食物としてよく知られている。
オーストラリア先住民(アボリジニ)は傷を癒すのに葉を利用した。葉から取れる精油は殺菌作用や抗炎症作用、鎮痛・鎮静作用があるとされ、医薬品やアロマテラピーなどに用いられる。また、健康茶等としても利用される。ただし、ハーブや精油としての利用は、サプリメントや薬物との相互作用の懸念があると考えられている。 ...