コーラ(学名:Cola)は、約125種からなるアフリカの熱帯雨林に植生するアオイ科(クロンキスト体系や新エングラー体系ではアオギリ科)コラノキ属の植物の総称である。常緑樹で、種類によっては約20メートルほどに育つ。
コーラの種子はコーラ・ナッツと呼ばれ、少しずつ噛み砕いて楽しむ嗜好品として用いられる。都市部の市場などで流通するコーラ・ナッツは、クリの実ほどの大きさで、白色から赤色をしている。アフリカでは族長や客人向けに出されることがよくある。1 - 4%程度のカフェインを含み、噛むと強い渋味を感じるものの、一時的に空腹感を紛らわせることが出来る。なお、コーラ・ナッツを常用すると、歯の表面にステインが付き、歯が茶色くなることもある。ただ、近年は、アフリカ西部で若い世代がコーラ・ナッツを噛むことは少なくなってきている。
嗜好品の多くが禁じられているイスラム文化においては、コーラ・ナッツは唯一許された興奮剤であった。そのため、産地である熱帯雨林地帯ではほとんど消費されず、古くからサヘル地域やサハラ交易においてもっぱら注目されて取引されていた。
炭酸飲料として著名なコーラは、コーラ・ナッツのエキスを用いていたことからその名が付けられた。しかし、現在はエキスを用いずに作られるコーラがほとんどである。 ...