キク属(キクぞく、Chrysanthemum)は、キク科の属の1つである。ラテン語の属名を英語読みにして「クリサンセマム」または略して「マム」と呼ぶこともあるが、これは種としてのキクを指す場合と、キク属を指す場合とがある。
属名はギリシア語の 'chryso-'「黄金の」と '‐anthemon'「花」に由来し、本属に黄色い花が多いことによる。
アジアとヨーロッパの温帯地方を中心に分布し、現在30種ほどが含まれている。日本にもノジギクなどの野生種がある。草丈20cmから1mぐらいまでの一年草または多年草で、花の美しいものが多く、観賞用に栽培される種がかなりある。
キク属は20世紀の半ばころまでは、200あまりの種を含む大きな属であった。しかし、かなり性質の違うものが含まれることから、1970年以降に10以上の属に分割され、キクそのものまで Dendranthema という新しい属に入れられたことがある。ところが、新しく別属とされた属の間で、交配種(固定種)ができるなど、不合理な面も多かったため、現在はフランスギク属 Leucanthemum など一部を残し、元に戻す傾向にある。下記はいずれも20世紀末の新しい分類法によって、新設された属に移動されたが、園芸上は今でも「クリサンセマム」と呼ばれているものである。 ...