ブラジルボク(伯剌西爾木、学名Caesalpinia echinata)はマメ科ジャケツイバラ亜科の常緑高木。別名をフェルナンブコ、ペルナンブコ、ペルナンブーコ(Pernambuco)、パウ・ブラジル。以前は染料に用いられた。材が硬いため、現在もヴァイオリン属の楽器の弓材として用いられる。原産地は南アメリカブラジル東部。1540年にポルトガル人によってはじめて報告された。
ブラジルの名は「赤い木」の意味で、ヨーロッパで染料として用いられたインド原産のスオウのポルトガル名による。外見と用途が似ていたため、ポルトガル人によって本種もブラジルと呼ばれるようになった。ブラジルの国号は本種に由来する。
心材から紅色色素(ブラジリン)が得られ、これを染料として用いた。かつてはブラジルの主産品であったが、化学染料の登場によって廃れた。しかし18世紀にフランスのフランソワ・トゥルテがこの心材が持つ振動減衰性の低さに着目し、弦楽器の弓に最良の材料であるとして採用すると、その後も需要は高止まりした。ペルナンブコ(フェルナンブコ)とは弦楽器業界におけるブラジルボクの心材の通称で、大西洋側の山地(フェルナンブコ州)に産出する希少資源と定義されている。 ...