アボカド(英語: Avocado、学名:Persea americana)とは、クスノキ科ワニナシ属の常緑高木およびその果実。和名はワニナシ(鰐梨)。
中央アメリカが原産である。低温に弱く、主に熱帯、亜熱帯で生育する。野生のものは樹高が30メートルほどになる。果樹園の栽培では接木法をとり、整枝もするのでそこまでは高くはならないが、それでも10メートルほどの高さになる場合もある。樹形は品種によって異なるが、葉の寿命は短く1年ほどで、新梢伸長期には大量落葉する。濃い緑色の果実をつける。5月頃に花が咲き、果実の収穫は翌11月から12月頃以降。日本産の植物でもっとも近縁なものはクスノキ科のタブノキ。クスノキ科の植物の葉を食べるアオスジアゲハやその仲間の種の食草である。
アボカドがいつ頃から食物としてヒトに利用されてきたのかは定かではないが、西暦900年頃のものと見られるアボカドの実をかたどった土器が、ペルーのチャン・チャン遺跡から出土している。
栽培については、中南米で果樹として数百年以上に亘って栽培され続けており、遅くとも13世紀から15世紀頃までには栽培が行われたとされている。少なくともヨーロッパからの侵略者がやってきた時点では、既にアメリカ大陸(南北両方)の熱帯地方のあちらこちらで栽培が行われていた。 ...