オレガノ(oregano、Origanum vulgare)は、ヨーロッパの地中海沿岸を原産とするシソ科の多年草である。香辛料として使われ、和名ではハナハッカ(花薄荷)と言う。マジョラムの近縁種であり、別名ワイルド・マジョラムやコモン・マージョラムとも呼ばれ、マヨラナ(スイート・マージョラム)に似ている。また中国植物名では、牛至(ギュウシ)と書く。広義には、O. compactumやO. majorum、観賞用のO. rotundifolium、O. pulchellum、種間雑種などOriganum属全般を指す。
属名の Origanum はギリシャ語で「山の喜び」を意味する。和名の「ハナハッカ」は、初夏に淡紅紫色の小花を半球状に咲かせて目立つことから命名された。
オレガノは地中海沿岸が原産だと考えられている多年草である。ヨーロッパから南西アジア、ヒマラヤ、中国、台湾にまで分布する。大半は地中海沿岸地域で育ち、アメリカ北東部にも自生する。日本には江戸時代末期に渡来したが、野生ではほとんど自生していない。香辛料にし、また観賞用のために栽培されることもあり、栽培地はギリシア、トルコ、イタリア、フランス、ポルトガルなど地中海沿岸のほか、メキシコ、ドミニカなど北米でも広く栽培されている。 ...