ワサビノキ属(ワサビノキぞく、山葵の木属、学名: Moringa)は、アブラナ科やフウチョウソウ科に近縁で、単型のワサビノキ科 (Moringaceae) を構成する唯一の属である。ワサビノキ(M. oleifera)が広く栽培され、ワサビノキという場合にはこの種を指すことが多い。学名および英名はこの種のタミル語名ムルンガイ(முருங்கை murungai)、テルグ語名ムナッカイ(మునగ munakkai)およびマラヤーラム語名ムリンガ(മുരിങ്ങ muringa)に由来する。
アフリカから南アジアの熱帯から亜熱帯にかけておよそ十数種が分布する。樹高10mくらいまでの落葉高木で、幹は直立し、葉は1-3回羽状複葉で非常に大きい。葉・花・樹皮・果実の鞘などに、ワサビに似た香味があるところから名付けられたといわれる。日本国内では、栽培実績が少ないものの天草地方や小豆島などで栽培されている。
南アジアから東南アジアでは、ワサビノキの果実と葉が野菜・香辛料・民間薬などに用いられる。また、花に強い芳香があり、庭木としても用いられている。種子からとれるモリンガ油は、時計用にも用いられるような最高級のマシンオイル(機械油)とされている。たんぱく質、繊維、各種ミネラル、各種ビタミン、アミノ酸などの栄養素を極めて高いレベルでバランス良く含んでいる。 ...