ダイオウ属(学名:Rheum)は、タデ科の属の1つである。本属の植物を総称して大黄(だいおう)という。薬用植物であり、生薬・漢方薬の分野では、本属の一部植物の根茎を基原とした生薬を大黄と言う。
大黄は『神農本草経』の下品に収載されており、別名を「将軍」と称するが、陶弘景は「大黄とはその色である。将軍なる号はその薬効が峻烈、快速なのを表示したものだ」といっおり、非常に古くから薬用とされ、中国では既に戦国時代の『山海経』にその記載がみられる。ヨーロッパではディオスコリデスの『ギリシア本草』(77年)に記載されている。日本への渡来は、正倉院に良質のものが残存していることから、奈良時代には生薬として輸入されていた。
この属の一部植物の根茎より生薬の大黄(だいおう)が調製される。これには消炎・止血・緩下作用があり、瀉下剤として便秘薬に配合されるほか、漢方医学ではそれを利用した大黄甘草湯に配合されるだけでなく、活血化瘀作用(停滞した血液の流れを改善する作用と解釈される)を期待して桃核承気湯などに配合される。
日本薬局方では、基原植物をRheum palmatum,R. tanguticum,R. officanale,R. ...