ウンシュウミカン(温州蜜柑、学名:Citrus unshiu)は、ミカン科の常緑低木またはその果実のこと。様々な栽培品種があり、食用として利用される。
現代において「みかん」は、通常ウンシュウミカンを指す。和名ウンシュウミカンの名称は、中国の温州から入った種子を日本で蒔いてできた品種であるといわれることに由来する。「ウンシュウ」は柑橘の名産地として知られていた中国浙江省の温州にちなむが、本種の原産地は日本であり、温州から伝来したというわけではない。中国名は早生温州蜜柑(わせうんしゅうみかん)という。
「みかん」がもっぱらウンシュウミカンを指すようになったのは明治以後である。江戸時代に普及していたのは本種より小型のキシュウミカン(紀州蜜柑)Citrus kinokuniであり、「みかん」を代表していたのはキシュウミカンであった。
「みかん」は蜜のように甘い柑橘の意で、漢字では「蜜柑」「蜜橘」「樒柑」などと表記された。中国では、かつて柑橘類に「柑橘」(現在では柑桔)の字を当てていて、特に「柑」は南方の大果のミカン類を、「橘」は北方の小ミカン類を指していた。
史料上「蜜柑」という言葉の初出は、室町時代の1418年(応永26年)に記された伏見宮貞成親王(後崇光院)の日記『看聞日記』で、室町殿(足利義持)や仙洞(後小松上皇)へ「蜜柑」(キシュウミカンと考えられる)が贈ら ...