アラビカコーヒーノキ(阿拉比卡珈琲,学名:Coffea arabica)は、エチオピアのアムハル高原に起源をもつとされるアカネ科の植物である。ロブスタコーヒーノキやリベリカコーヒーノキとともに「コーヒー3原種」のひとつに数えられる。世界に流通しているコーヒーの中でも最もよく飲まれている品種であり、本種に次いで流通量第2位のロブスタコーヒーノキと合わせると世界全体のコーヒー流通量のおよそ99パーセントを占める。
アラビカコーヒーノキは常緑低木であり、野生のまま放置しておくと樹高10メートル程度まで成長することもあるが、コーヒー農園では果実を収穫しやすいように剪定される。葉は10センチほどの間隔で対生し、光沢のある濃い緑色をしている。葉の付け根にジャスミンのような香りがする5弁の白い花をつける。果実は丸みを帯びたロブスタコーヒーノキの果実やひし形のリベリカコーヒーノキの果実に比べて形が扁平・楕円形で、堅くて緑色が濃い。熟していくにつれて緑色から赤、赤紫色になるのが一般的であるが、品種によっては熟すと黄色になるものもある。
アラビカコーヒーノキはエチオピア中部から西部の山岳地帯における標高1000メートルから2500メートルの雲霧林に自生する。現在の栽培種は、大部分が17~18世紀にエチオピアで採取された少数の原木に祖先をもつと言われている。現在では南スーダンのボマ高原やケニアのマルサビット山でも見られるが ...