セクロピア (Cecropia; ケクロピアと表記することもある) は新熱帯区に自生する雌雄異株の木本植物の1属で、特異な系統をなす。同属には2005年時において61種が種認定されている。セクロピアは、新熱帯区においてパイオニア植物として多かれ少なかれ熱帯雨林の一角を占めており、またその大部分がアリ植物として知られている。バーグ Berg およびロッセリ Rosselli の唱える説によると、セクロピアは通常とは異なる際立った特徴を有している。具体的には
花序全体が開花まで苞にすっぽり覆われていること。
葉柄基部にある托葉の表面に毛の密生した部分があり、そこからミュラー体(フードボディとも)というアリが好んでエサとする小粒を分泌すること。
開花すると葯は切り離されること。セクロピアは、アリの生態におけるその役割や、アリとの共生についてはよく研究されている 。分類学上の位置づけについては議論の余地があり、過去にはケクロピア科、イラクサ科、クワ科に分類されたりした。現在は被子植物真正双子葉類(コア真正双子葉類バラ類真正バラ類I)バラ目イラクサ科にケクロピア亜科 Cecropiacean が置かれている。 ...