オドントグロッサム Odontoglossum は、ラン科の植物の一群。オンシジウムに近縁で、萼片と側花弁が大きく、斑紋が入って美しいものが多い。洋ランとしても多く栽培されているが、近縁属との属間雑種が多い。
オドントグロッサムはオンシジウムに似た着生ランで、花が遙かに大きい上に模様と色彩が多彩で、鑑賞価値が高い。ヨーロッパでは古くから栽培され、交配も行われた。ただし、中南米の高地林に生育するものが多く、耐暑性が低い。そのため、日本では栽培が困難で、国内で流通するようになったのは新しい。
学名は odonto(歯)と glossa(舌)の組み合わせであり、唇弁上面に歯状の突起があることによる。
園芸的に評価が高く、広く知られている。ただし夏の高温に弱く、日本の多くの地域では栽培が難しい。近縁属との交配による人工属が数多くあり、それらもこの名で流通する場合が多い。
常緑性の多年生草本で、中型から大型の着生ランであるが、地上に見られる例もある。根茎はごく短く、偽鱗茎は密集する。偽鱗茎は楕円形から卵形で、普通は扁平。偽鱗茎の先端から、1-3枚の葉身を着け、基部の葉鞘にも葉身がある。葉は幅狭く革質。 ...