スパルティナ・アルテルニフロラ(Spartina alterniflora)は、イネ科の植物で、北米東部原産。外見はヨシに似ており、高さ2mまで成長する場合もある。
干潟や川の河口など汽水域で繁茂し、見た目は日本在来植物では水辺に生えるヨシすなわちアシ(葦・芦)に類似する。このため和名としてヒガタアシと呼ばれることもある。
スパルティナ属は、干潟や塩沼など、塩分濃度が高い水辺に生育する。
繁殖力が強いため、米国西部のワシントン州やニュージーランド、ブラジルなどでは過去、干潟が草地化する被害を引き起こしている。干潟は魚介類や水鳥が暮らす生物多様性において貴重な存在である。ヒガタアシは円形の群落を形成し、種子だけでなく断片からでも増殖し、近くで飛地状に別の草むらが発生することもある。地盤が軟らかい干潟や湿地では重機による根本からの掘り起しができないため、いったん根付くと根絶が難しく、生態系への重大な脅威とみなされている。
2011年8月、スパルティナ・アルテルニフロラが梅田川(愛知県豊橋市)の河口付近で、約1kmにわたって繁殖していることが報じられた。これは、日本国内で初めてのスパルティナ属の生息確認だった。 ...