フジ(藤、学名: Wisteria floribunda)は、マメ科フジ属のつる性落葉木本。花が咲く時期には「藤棚」が鑑賞・観光の対象となる。
一般名称としての藤には、つるが右巻き(上から見て時計回り)と左巻きの二種類がある。右巻きの藤の標準和名は「フジ」または「ノダフジ」、左巻きの藤の標準和名は「ヤマフジ」または「ノフジ」である(牧野富太郎の命名による)。
つるは木に巻きついて登り、樹冠に広がる。直射日光の差す場所を好む、好日性植物である。花序は長くしだれて、20cmから80cmに達する。花は薄い紫色で、藤色の色名はこれに由来する。他のマメ科植物同様、夜間は葉をすぼめる。
日本産のフジは固有種。海外のフジは、フジ属に属する別の品種である。
日本では本州・四国・九州の温帯から暖帯に、低山地や平地の林に分布する。
日本で有名なものに亀戸天神社(東京都)、牛島藤花園や長泉寺および久伊豆神社(埼玉県)、あしかがフラワーパーク(栃木県)などの藤がある。
強い日当たりを好むため、公園や庭園などの日光を遮るものがない場所に木材や竹、鉄棒などで藤棚と呼ばれるパーゴラを設置し、木陰を作る場合が多い。天蓋に藤のつるをはわせ、開花時には隙間から花が垂れ下がるように咲く。変異性に富んでおり ...