落葉性の高木または低木。葉は長枝に互生し、短い枝には束生する。普通5枚、ときに3枚の小葉からなる掌状複葉で、小葉の縁には鋸歯がある。5 - 6月頃に、短枝の先に花柄を出して、多数の花を散状につける。幹には鋭い棘があり、エゾウコギは細い棘を密生する。多くは雌雄異株で、日本を含む東アジアに約40種知られる。ヒメウコギは、日本のは雌株だけで、果実はつかない。
日本で一般にウコギと称される植物は、別名でムコギ、ヒメウコギともよばれている中国原産の種で、生け垣などにされる落葉低木である。日本で昔は栽培されていた種とみられているが、一部は野生化している。栽培は、前年に伸びた枝を切り取って、春先の発芽前に挿し木して、梅雨期に日当たりと水はけのよい土地に植えて、肥培される。
平安時代中期に編纂され、現存する日本最古の薬学書に列する本草学辞典『本草和名』(ほんぞうわみょう)、同じく日本最古の漢和対訳百科事典に列する『和名類聚抄』(わみょうるいじゅしょう)の解説によれば、ウコギは中国原産と見られる外来種の五加(ウーチァ)であると記されており、現在使用されるウコギの和名漢字「五加木」「五加皮」はこれに由来している。また、『本草和名』では牟古岐(むこぎ)と読ませたヒメウコギが紹介されている。 ...