カルドン(英語: Cardoon、学名:Cynara cardunculus)は、地中海地方に自生するキク科チョウセンアザミ属の植物である。古代から食用として栽培化されてきた。
カルドンについての最初の記述は、紀元前4世紀のギリシアの作家テオプラストスに遡る。カルドンは古代ギリシアや古代ローマの料理で良く用いられていた。中世や近代初期のヨーロッパでも良く用いられ、アメリカ植民地等で栽培されたが、19世紀後半頃から流行しなくなってきた。ヨーロッパでは、カルドンは今でもスペインのプロヴァンスやイタリア等で栽培されている。ジェノヴァには、ユグノーの難民が1685年に持ち込み、特にこの地域のcardyが調理に用いられている。
カルドンの茎は、小さくてほとんど目に見えないとげに覆われており、皮膚に触れると痛い。そのため、とげのない品種もいくつか作られているが、やはり取扱いには注意が求められる。
カルドンの生育には、寒い期間が約5か月と長く求められるが、霜に対しては弱い。また1株あたり十分な生育空間が必要である。
カルドンはかなり侵略的な外来種であり、乾燥にも適応することができる。アルゼンチンのパンパやカリフォルニア州では主要な雑草となっている。またオーストラリアでも雑草と見なされている。 ...