セイヨウカノコソウ (Valeriana officinalis) は、オミナエシ科カノコソウ属の多年生植物。英名はヴァレリアン (Valerian)。纈草(けっそう)または吉草(きっそう)ともいう。ヨーロッパ原産。
根や茎を不眠症や精神高揚等に効果がある薬草として用いる。ドイツでは不眠症、精神不安への使用を承認している。日本では非医薬品に分類される。古くから薬草として利用され、中世では修道院の薬草園で盛んに栽培された。
成分に吉草酸が含まれる。他にテルペン類、揮発油成分、アルカロイドが含まれる。それらの成分を含む根茎と根を、ヨーロッパでは「ワレリアナ根」と呼ぶ。精油の含量はカノコソウよりも少ない。
サプリメントとしては「バレリアン」と呼ばれる。経口摂取すると不眠症に有効とされ、他に睡眠導入や不安、ストレスにも有効とされ、欧米では広く用いられている一方、過剰摂取による副作用や、長期服用による習慣性や副作用発現も報告されている。ドイツでは不眠症や不安に用いられており、睡眠の質を改善するとも言われている。しかし効果にバラつきがあり、即効性もなく発現まで長期間を要する場合があるが、用量用法を守れば安全で継続的な効果が得られるとしている。欧州では伝統生薬製剤の欧州指令に従い医薬品ともなっている。 ...