カラスビシャク(烏柄杓、学名:Pinellia ternata)とは、サトイモ科の植物の一種である。別名や、乾燥させた根茎は半夏(はんげ)の名で知られる。花は小型の仏炎苞で、ひものような付属体が上部に伸びるのが特徴。
和名の由来は、仏炎苞とよばれる花の独特の形状が、役に立たないという意味でカラスが使う柄杓に見立てられて名付けられている。別名は、ハンゲ(半夏)、ヘソクリ、へブスともよばれる。日本の地方により、ヒャクショウナカセ(百姓泣かせ:鹿児島県)、カラスノオキュウ(烏のお灸:群馬県)の方言名でも呼ばれている。別名の「ヘソクリ」は、この草が、昔は漢方薬に使うため、根茎を掘って薬屋に売って小銭をためたというところからきている。
日本では北海道から九州・沖縄まで広く分布し、国外では中国、朝鮮半島から知られる。日本の分布は人為的なものと考えられ、中国から古くに帰化した史前帰化植物と考えられている。
北アメリカの一部では、侵略的外来種として問題視されている。
半日陰から日当たりの良い山地の道端や畑地、川原、花壇の中などに自生し、畑では雑草になる。抜き取っても根茎は地下に残るために根絶は困難で、畑の害草として知られる。 ...