カギカズラ(鉤葛、 Uncaria rhynchophylla (Miq.) Jacks.)はアカネ科カギカズラ属の植物。蔓になる木本で、茎に鉤がある。南方系の植物であり、分布は限られるが、生育地ではやっかいな蔓草でもある。
よく木に登り、森林内では林冠部まで顔を出し、その上に枝を広げることもある。節々から鉤を出してこれを他物に引っかけるようにしてはい上がる姿は日本では他に例が少ない。和名は鉤葛で、この鉤にちなんだものである。漢名の鉤藤を当てる場合もあるが、これは中国産の別種であるから使ってはならない、と牧野富太郎は述べている。
本州では南方系の珍しい植物として重視されるが、林業の方ではやっかいな蔓草としていやがられる。薬としても利用される。
常緑性である。最初は茎が立ち上がるが、次第に周囲にもたれ、引っかかるように伸び、10m以上にも達する。枝振りとしては真っ直ぐに伸びる枝と側方へ出る側枝が比較的はっきりしており、側枝では葉は水平に配置する。
葉は対生、楕円形で先端は鋭く尖る。葉身は長さ5-12cm、幅3-6cm、表は滑らかで鈍いつやがあり、裏面はやや白っぽくなる。また、若葉は赤みを帯びる。葉の基部には線形の托葉が個々の葉の両側にあり、あわせると節ごとに四つ着いている。これらは早い時期に脱落するが、新芽ではよく目立つ。 ...