ドクニンジン(毒人参、Conium)は、セリ科の有毒植物のひとつ。多年草で薬草として使われる。ヨーロッパ(特に地中海地方)が原産の Conium maculatum と、北アフリカ原産の C. chaerophylloides の2種がある。葉の見た目から、「毒パセリ」とも呼ばれる。
学名「コニウム・マクラトゥム」が意味する通り、ヨーロッパ種のほうが中毒性のある「毒草」として、はるかに有名である。ハーブとして有用な二年草で、1.5メートルから2.5メートルの高さに育ち、つるつるした緑の茎は、下半分に、たいてい赤か紫のぶちやまだらが入っている。ドクニンジンは、ソクラテスの処刑に毒薬として用いられたことが知られており、茎の赤い斑点は、ヨーロッパでは「ソクラテスの血」と呼ばれることもある。
小さな白い花は、花序の中で密集しており、全体で直径10センチメートルから15センチメートルほどになる。葉はきれいにレース状に分かれており、一様に三角形をしている。とりわけ若葉は、パセリや、山菜のシャクと見間違えやすい。また植物全体が、しばしばフェンネルやワイルドキャロット(菜人参の原種)と取り違えられる。種子はウイキョウ(フェンネルシード)に似ており、肉色をした根は、たいてい枝分かれしておらず、パースニップと取り違えられる。ドクニンジンは、植物全体が臭気を放っていることが特徴と言われているため、食用植物と区別するには、臭みが手がかりとなりうる。た ...