シナグリ(支那栗、学名:Castanea mollissima)はブナ科クリ属の落葉高木。原産は中国大陸。
日本では主に甘栗(天津甘栗)の名前で知られている。中国では板栗と称される種にあたる。ニホングリのように渋皮がタンニンによって食用部分に密着しないので、煎ったものを手や器具でむいて食べるのが容易である。
中国大陸を原産とする種にはヘンリーグリ(Castanea henryi )、モンパーングリ(ドイツ語: Castanea seguinii)があるがシナグリと種が異なる。北アメリカ大陸で栽培されている。
朝鮮半島では、直隷(中国河北省などの地域)の支那栗を朝鮮半島東北部の咸鏡道に移植したことがはじまりされ、20世紀初頭までに各地で栽培されるようになった。平壌や京城の都市においても栽培されており、シナグリと比較して小粒であることから朝鮮栗と称されていた。また、平壌産のものが比較的良質とされたことから、同時代には平壌栗とも称された。
日本でも高知県や岐阜県にて品種改良されたものが栽培されているため、中国大陸のものとは種を異にする。岡山県新見市哲西町でも、昭和9年に神戸から天津栗を手に入れて日本栗に接木などをしながら土地に合うよう改良した哲西栗が存在し、天津栗より3倍も実が大きいにもかかわらず甘味が強い。 ...