ヤグルマギク(矢車菊、学名 Centaurea cyanus)は、キク科ヤグルマギク属の1種である。
和名ではヤグルマギクと呼ばれており、近年一部でヤグルマソウとも呼ばれた時期もあったが、ユキノシタ科のヤグルマソウと混同しないように現在ではヤグルマギクと統一されて呼ばれ、最新の図鑑等の出版物もヤグルマギクの名称で統一されている。
野生種は青紫色で、種名の「cyanus」は「あさぎ色の」という意味である。属名の「Centaurea」は、ギリシャ神話に出てくる半人半馬の怪物ケンタウルスから。
ヨーロッパ原産。もとは麦畑などに多い雑草だったが、園芸用に改良され紫、白、桃色などの品種が作られた。ドイツ連邦共和国、エストニア共和国、マルタ共和国、フランス共和国の国花である。
耐寒性一年生植物。ヤグルマギク属の別種には多年草のものもある。
高さは20~100㎝で、全体が毛で覆われるため白みを帯びて見える。夏に筒状花からなる矢車状の花が咲く。種子は痩果で、短い毛が付く。
日本には明治時代に導入されたが、現在では帰化植物として野外でも多く見られる。原産地同様に麦畑に侵入すると、収量を5割から9割も減らす強害雑草となるため恐れられている。 ...