ゲッキツ(月橘、Murraya paniculata)はミカン科ゲッキツ属の常緑小高木の柑橘類。観葉植物としてよく栽培される。
奄美大島以南、沖縄から東南アジアにかけて分布する。葉は奇数羽状複葉でつやがある。幹や枝は白っぽく表面がなめらか、花はミカンなどに似て白く、夏に開花しジャスミンに似た芳香を放つ。果実は直径1cmほどで赤く熟し食べられる。
月橘の名は花が月夜に特によく香るためといわれる。別名としてイヌツゲ(ただしモチノキ科にイヌツゲという標準和名の植物が存在する)、九里香、英語名オレンジジャスミン、シルクジャスミンなどともいう。また、コスメティックバークという異名ももち、葉と根は血行促進、鎮静作用、抗炎症作用があるとされる。ジャスミンの名がつくが、ジャスミンティーなどに使われるいわゆるジャスミンはモクセイ科であり別種である。
同じ属のオオバゲッキツはカレーリーフとも呼ばれ、葉が南インド料理の材料として使われる。
この樹の材は、きわめて硬く、緻密で絹状の光沢がある。この材を、彫刻や、ステッキ、刃物や農具の柄、文鎮、印鑑、版木、櫛などに用いる。
この植物は英名で、satinwood(サテンウッド)とも呼ばれている。本来の ...