ヒハツモドキ(学名:Piper retrofractum)とは、コショウ科の木本性つる植物(藤本)である。別名はジャワナガコショウ、ヒハツ。初島 (1975) では別名としてサキシマフウトウカズラを挙げている。
東南アジア(インドシナ、マレーシア、タイ等)原産で、日本では沖縄県で栽培されたり、野生化している。
つる性で長さ4m程、全株無毛。葉身は長楕円形から卵状楕円形で先鋭、基部は左右不対称になることがある。葉身は膜質、やや硬くて、葉脈が両側に少し突出する。葉身は長さ7-15cm、葉柄は7cm以下。雌花序は葉と対生して、長さ2cmほどになる。果実は円筒形で長さ3cm程、赤く熟す。結実期は6から10月。全体に、本州南部以南に分布するフウトウカズラによく似ているが、本種の方が葉が薄くてつやがある点、フウトウカズラは5行脈であり、本種は羽状脈である点、フウトウカズラは葉の裏面に毛がある点などで区別できる。
種子や新芽を薬用、香辛料として利用し、沖縄県では未熟のままの実を収穫し、乾燥し炒って粉にしたものを料理の香辛料・調味料として用いる。発汗作用があるため、新陳代謝を促す働きもある。八重山諸島ではその香辛料を「ピパーチ」、「ヒバーチ」、「ピパーツ」と呼んでいる。その他、建物の壁や石垣などに這わせて壁面緑化にも利用されている。 ...