クサフジ(草藤、Vicia cracca)はソラマメ属に属する多年草。北海道、本州、九州に分布する。和名の由来は、葉と花がフジに似ていることから。
茎の長さは、80-150cmになる。茎は角張り、細かい毛がある。葉は羽状複葉でやや薄く、18-24個ほどの小葉と巻きひげからなる。托葉は小さく2歯があるが、無いものもある。
花期は5-7月で、茎の上部にある葉の脇から花柄を伸ばす。淡紫色から青紫色の蝶形花が総状花序で咲く。花の長さは、10-12mm。5歯のある萼をもち、下側の1歯が特に長い。果実は毛がなく、長さが2-3cm、幅が5-6mmになる。普通、5個ほどの種子ができる。
ヒロハクサフジ Vicia japonica A.Gray 三重県以東の海岸に分布する。小葉が10-16個でやや幅広く、小葉の側脈が横に張り出す。オオバクサフジ Vicia pseudo-orobus Fisch. et C.A.Mey.小葉が4-10個になり、楕円形の小葉の幅が15-30mmになる。
長田武正『原色野草観察検索図鑑』保育社、1981年、285頁。ISBN 978-4-586-30058-7。