ヒリュウシダ属 Blechnum は、シシガシラ科に所属するシダ植物の1群。単羽状複葉の葉を付け、胞子嚢群は裂片の中肋に沿って伸びる。
根茎は直立するかまたは僅かに匍匐し、多数の葉を密生する。幅が狭くて縁が滑らかな鱗片を付ける。一部には木生シダになる種がある。
葉は多くは単羽状となるが、単葉のものもある。葉質はやや厚手。側羽片は数が多く、それぞれは細長くて縁が滑らか。主軸や羽片の軸の表に溝があるが、それらが互いに流れ込むようにはなっていない。葉脈は遊離しているか、胞子嚢群で繋がりあう。栄養葉と胞子葉が分かれるものと分かれないものがあり、区別がある場合には、胞子葉の方が羽片の幅が狭い。
胞子嚢群は細長く伸びた形で、中肋に沿って伸びる。苞膜は胞子嚢群を覆って細長く、中肋の反対側で葉に繋がり、中肋に向かって裂開する。
シシガシラ科の中では本属はもっとも多様性に富み、大部分が南半球に分布する。大きさではニュージーランドの B. nigrum は葉の長さが10cmにしかならず、他方でチリのファン・フェルナンデス諸島に固有のソテツバシシガシラ B. cycadifolium は木生シダで、高さ1.5m以上、茎の径は20cmに達する。 ...