パラグラス(英語:para grass、学名:Urochloa mutica)は、イネ科植物の1つ。草本ではあるが背が高くなり、また匍匐枝を出して広く繁る。アフリカ原産だが熱帯域に広く見られ、日本では沖縄で普通に見られる。牧草などとして利用されるが、侵略的外来種として嫌われている地域もある。
大柄な多年生の草本で、長く匍匐枝を伸ばして広く繁茂する。花茎は高さ2から6mに達することがあり、立ち上がるか、時に藪や樹木の間に生えて斜めに伸びてもたれかかる。その基部は太さが5-8mmに達し、膝曲がりに折れ曲がり、その節の部分から根を降ろす。また節の部分には毛を密生させる。葉の基部の鞘部は無毛か、あるいは有毛。葉身は長さ15-45cm、幅10-15mmあり、先端は次第に細くなって長く尖り、毛はなく、その縁はざらつきがある。葉舌は切形で短くて、長い毛が縁取りに生える。葉鞘は太くて、上向きの白い軟毛が密生する。
花期は9-11月。花は円錐花序をなして長さ10-20cmになり、その構成は長さ4-6cmの個々には総状花序状のものがまばらに数個から10-20個ついているものである。花軸や枝には長い軟毛がまばらに生え、短い毛が密生する。この総状花序の部分に小穂が密生して付いている。その花軸は背面が扁平で下面は中央に縦に走る稜があり、その稜から小穂が出ており、さらに小穂には柄のないものと短い柄のあるものがあり、これらが2個ひと組になって並んでいる。小穂は狭楕円形で長さ3mm、先端がわずかに突き出 ...