サトザクラ(里桜)は、広義ではバラ科サクラ属のサクラの栽培品種の総称で、狭義ではオオシマザクラを基に誕生した栽培品種の品種群(Cerasus Sato-zakura Group)のこと。2014年に発表された森林総合研究所の215の栽培品種のDNA解析結果により、日本のサクラの栽培品種は、エドヒガンから誕生したシダレザクラのように一つの野生種から誕生した存在は稀で、多くがオオシマザクラに、ヤマザクラ、オオヤマザクラ、エドヒガン、カスミザクラ、チョウジザクラ、マメザクラ、カンヒザクラ、などの多様な野生種が交雑して誕生した種間雑種であることが判明した。八重咲きのヤエザクラの栽培品種の多くがオオシマザクラを基に開発された狭義のサトザクラ群である。
日本では固有種を含んだ分類学上の10もしくは11種(species)の基本の野生種を基に、これらの変種(variety)以下の分類を合わせて100種以上の自生種があり、さらにこれらから育成された栽培品種(cultivar)が200種以上あり、分類によっては600種ともいわれる品種が確認されている。なおこのうち100品種余りは北海道松前町由来のマツマエハヤザキなどを掛け合わせるなどしてベニユタカなどの多品種を生み出した浅利政俊が作出したものである。 ...