ノビル(野蒜、山蒜、学名: Allium macrostemon)は、ヒガンバナ科ネギ亜科ネギ属の多年草。日当たりのよい土手や道端に生える野草で、全体の姿や臭いはニラに似ている。花にムカゴをつけて繁殖し、葉と地下の球根は食用になる。
和名ノビルの語源は、昔から食用野草として知られることから、野に生えるヒル(蒜)という意味で、蒜はネギやニンニク、ニラなどネギ属の野菜の古称である。蒜という呼び名は、食べるときに辛くて舌がヒリヒリすることにちなむといわれている。中国植物名(漢名)は、小根蒜(しょうこんさん)。
日本の一部地域における地方名として「ねんびろ」「ねんぶり」「ののひろ」「のびろ」「ねびる」とも呼称される。
花言葉は、「タフなあなたのことが好き」である。
東アジアに広く分布する。日本では北海道から沖縄までの山野、土手、道端、畦道や堤防上など、丈の低い草が生えているところによく自生する。日当たりの良い草地や、道ばたなどに群生していることが多い。一説によれば、古い時代に作物と共に日本へ入ってきた、いわゆる史前帰化植物ではないかとも言われるが、はっきりしたことはわからない。北海道ではノビルの群生が簡単には見られないことから、分布に関して再調査が必要である。 ...