カラクサケマン Fumaria officinalis はケシ科の植物の1種で日本では帰化植物である。ムラサキケマンに似た花を付けるがずっと小型で、よく枝分かれして広がる。薬草としても知られている。
1年生、あるいは2年生の草本で、全体に柔らかい。茎や葉は全体に白みがかった緑色をしている。草丈は20-35cmほどになり、また全体に毛がない。ただし茎はよく伸びると20-90cmにもなり、その繊細で柔らかい茎は他の草と絡まり合って生長する。茎は太くて稜があり、基部から先端まであちこちで盛んに枝を出す。葉は3回羽状複葉で、裂片は狭披針形から線形で、さらに浅く、あるいは深く裂ける。最終裂片の幅は1-2mmほど。
花期は春から夏にかけてで、分枝した枝先に多数の花を付ける総状花序を作る。1つの花序で花数は10-30個ほど。個々の花は小さな蕾の時期には上を向いているが、開花の頃には花柄が曲がって横向きになる。萼片は2枚で楕円形。長さは1.5-2mmで少数の深い歯があり、下から花弁を支えるようについている。花弁は4枚、部分的に互いに合着して筒状になり、先端部がわずかに開く。上側の花弁の基部は膨らんで袋状の距を作っている。他の花弁もこの弁とほぼ同じ長さを持ち、全体で左右相称な形となる。花の長さは距を含めて8mmほど。花弁は淡紅色から紅紫色で、先端部がやや色濃くなる。おしべは6本あるが、それぞれ3本ずつ花糸の部分が合着しているために、見た目では雄しべは2本で、それぞれの先端に葯が3つある、と ...