オベチェあるいはオベチュ(obeche; 学名: Triplochiton scleroxylon)とは、アオイ科(旧アオギリ科)の落葉高木の一種である。西アフリカの主にギニアからカメルーンにかけて自生し(参照: #分布)、西アフリカで産出する材木の半分を占める。特徴の一つはカエデのような形状の葉であり(参照: #特徴、#オベチェ属)、また材木は白っぽい色合いで加工が容易であり、内装や家具、彫刻などの用途がある(参照: #利用)。ガーナでは伝統的な紋様(アディンクラ・シンボル)の一つに本種の種子にちなむものが見られるが、この紋様はガーナ以外の場所でも使用されている(あるいはそう推定される)例が複数見られる(参照: #民俗・ポップカルチャー)。
オベチェというのはナイジェリアのエド語に由来する呼称であるが、本来のエド語の発音では [óʋɛxɛ̀] といい、「オヴェヘ」に近い発音である(参照: #諸言語における呼称)。カメルーン周辺での呼称からアユース(ayous)やコートジボワール等での呼称からサンバ(samba)とも呼ぶ(参照: #諸言語における呼称)。日本においてはアユースの名で取引されていることが多い。アフリカスオウと訳された例も存在する。 ...