ヤツデ(八手、学名: Fatsia japonica)は、ウコギ科ヤツデ属の常緑低木。葉が大型で独特の形をしているのでよく目立ち、見分けやすい。
和名ヤツデは、葉は掌状に深い切れ込みがあることに由来し、葉は実際には8つに切れ込んで9枚に裂けているものが多いが、「八手」の八は数が多いという意味がある。ヤツデの別名(地方名)はテングノハウチワ(天狗の羽団扇)である。
学名のファットシア(Fatsia)は日本語の「八」(古い発音で「ふぁち」、「ふぁつ」)または「八手(はっしゅ)」に由来し、これが転訛したものだといわれている。
ヤツデの花言葉には、「分別」「親しみ」「健康」などがある。
関東地方南部以西の本州、四国、九州、沖縄に分布する。おもに暖地の海岸近くの山林などに自生する。日陰に強く、日当たりの悪い森林のなかにもよく自生しているのが見られる。
常緑の低木で、高さは2 - 5メートルほどになり、多くは株立ちする。茎は数本集まって出て、ほぼ単一に伸びる。20センチメートル以上もある大きな葉に、長い葉柄をつけて互生、あるいは輪生する。葉は表面につやがあり、下面はやや白っぽくて若いときには茶褐色の軟毛があり、やや厚手。形は文字通り掌状だが、若葉のときは卵形をしていて、次に3裂して、次第に数を増して7、9、11の奇数 ...