オニグルミ(鬼胡桃、学名:Juglans mandshurica var. sachalinensis)は、クルミ科クルミ属に属する植物。
オニグルミは落葉高木で、日本と樺太に分布する。日本においては九州から北海道にかけて広く分布する。主に山間の川沿いなどでよく見られる。大型の奇数羽状複葉で、特に初夏の開花時期には垂れ下がった雄花序と共によく目立つ。
花期は5 - 6月ごろ、風媒花で雌雄同株。雌花は新枝の先に10個ほど穂になって咲き、雌蕊は真っ赤で二股である。
雄花は前年の枝に多数房となって垂れ下がる。種子(仁)は食用になるが、広く市販されるテウチグルミやシナノグルミに比較してやや小さく、殻が厚めで非常に堅いので、仁を綺麗に取り出すのは容易ではない。その分、味は濃厚で保存性が良い。また、リスやネズミの食料としても重要である。
一般に野生のクルミ全般をオニグルミと呼ぶこともある。日本においてクルミ属で自生するものには、他にヒメグルミがある。
殻が非常に堅いこと、破片が鋭利である点が、東洋ゴム工業(トーヨータイヤ)に評価されて、スタッドレスタイヤ(「ガリット」シリーズ)の素材として用いられるようになった。 ...