ヒメツバキ(Schima wallichii)は、ツバキ科の樹木。初夏に白い花をつける。小笠原から知られる。沖縄では非常によく似たものがイジュとして知られる。ただし、分類上はかなり混乱が生じており、別種とする説、同種と見る説、同種内の別亜種とする説もある。ここでは両者をまとめて記す。
マラヤではメダンガタル(マレー語: medang gatal)と呼ぶ。
ヒメツバキは大きくなる木で、白い花を一面につけ、よく目立つ植物である。小笠原ではヒメツバキの名で、沖縄ではイジュの名で知られる。パイオニア的な性格の樹木で、身近な二次林に数多く見られ、また栽培もされる。木材としても利用される。
ただし分類上は混乱があり、当初は上記2つを独立と見た。だが、本属には10種ほどが知られ、それらの区別にも問題が多かったので、大きく見ると全てを1つにまとめる説もある。以下、別に扱う時は和名では沖縄のものをイジュ、小笠原のものをヒメツバキと呼ぶ。なお、ヒメツバキには別名としてタマツバキがある。
常緑性の高木で、低木状にも生育するが、高さ10m以上になることもある。若枝には当初は白い絹毛が密着して生えるが、後に無毛となる。葉は互生し、特に成木では枝先に集まって束生となる傾向がある。葉は披針形から楕円状披針形、あるいは卵形から倒卵形と形にかなり幅がある。長さ8-13cm、幅2.2-3.7cm。先端は普通に尖るか、 ...