塞栓(そくせん、英: embolism、羅: embolus)は、栓子(血塊などの塊,単数形 embolus 複数形 emboli)が血液中に遊離し、塊によって血管が塞がれ、血流が遮断されてしまうこと。塞栓症ともいう。塞栓を生じる部位・器官で循環障害を起こし多彩な症状を生じ、発症部位により様々な呼称が与えられている。
血栓の一部もしくは全部が剥離して遠隔部に運ばれ、その部位に塞栓を起こす。塞栓症の中で最も多い。一般には塞栓症と呼ばれる。静脈・右心房・右心室に生じた血栓は肺血栓塞栓症の原因となる。左心房・左心室・動脈に生じた血栓は末梢動脈を塞栓し、次に述べるアテローム塞栓症に類似した症状を引き起こす。心房細動によるもの、下肢のエコノミークラス症候群、抗リン脂質抗体症候群などが原因となる。
動脈硬化病巣の破片(アテロームなど)が原因となる。大動脈、頸動脈、脳動脈でしばしばみられる。例えば、腎アテローム塞栓症による腎機能低下。
微少がん細胞が血管内へ侵入し、血管破壊をして、多くは静脈系で塞栓を形成する。悪性腫瘍患者の呼吸不全原因のひとつ。
多くは骨折などの外傷に伴い、骨髄の脂肪組織が血管内に流入して起こる。大腿骨や脛骨などの長管骨骨折の90%で起こる。 ...