パイナップル(パインアップル、パインナップル、英:pineapple、学名:Ananas comosus)は、熱帯アメリカ原産のパイナップル科の多年草。単にパインと略して呼ばれることもあるほか、漢名は菠蘿(はら、ポーロ)、または鳳梨(ほうり、オンライ、フォンリー)である。また、植物名としてアナナスと呼ぶこともあり、果実や可食部のみパイナップルと呼んで区別することもある。
「パイナップル」(pineapple)という名前は、本来は松 (pine) の果実 (apple)、すなわち「松かさ」(松ぼっくり)を指した。これが18世紀ごろに、似た外見をもつ本種の果実に転用され今に至る(英語の“apple”は、かつてはリンゴに限らず「果実全般」を指す語としても用いられた)。なお、沖縄県や奄美群島の海岸付近にも自生するアダンは似た外観の果実が木からぶら下がるように成るが、果肉はスカスカで渋みがあり、種の仁しか食用にはならない。
葉は地下茎から叢生して剣状で硬く、ふちにとげのある品種とない品種がある。増殖させるときの苗は葉の付け根の腋芽が発達した吸芽を用いる。
苗を植えて12-18カ月すると株の中心部から花穂が現れる。60cmから長いものでは100cmに至る花軸が伸び、先端部分に円筒形の花序が付き、約150個の花が咲く。花序にらせん状に密生する花はがく(外花被)、花びら(内花被)とも3枚で、単子葉植物の典型的な姿である。花びらは肉質であり、色は白を基調とし、先 ...