クロモジ(黒文字、Lindera umbellata)は、クスノキ科の落葉低木。枝を高級楊枝の材料とし、楊枝自体も黒文字と呼ばれる。香料の黒文字油がとれる。
和名である「黒文字」の名は、若枝の表面に黒い藻類が付着し、黄緑色の地色に黒いまだら模様の斑紋が入るため、これを文字に見立てたものといわれる。
中国植物名(漢名)は、大葉釣樟(だいようちょうしょう)。
日本の本州の関東以西・四国・九州北部や、中国に分布し、低山や疎林の斜面に自生する。早春の花が少ない時期に花が咲くので、茶園や公園の植栽として植えられることがある。
落葉の低木で、雌雄異株。樹高は高さ2 - 6メートル (m) 程度まで成長する。葉・樹皮・木部とも強い揮発性の芳香を持つ。若枝ははじめ毛があるが次第になくなり、緑色のすべすべした肌に、次第に黒い斑紋がでることが多い。古くなると次第にざらついた灰色の樹皮に覆われる。頂芽の長さは10 - 15ミリメートル (mm) 、芽鱗はやや葉状で細長い 。
葉は枝先にまとまってつき、洋紙質で卵状長楕円形で、長さ3 - 10センチメートル (cm) 、幅は1 - 3 cmほどで、基部は楔型、深緑でつやはない。表面は無毛、葉裏ははじめ絹毛に覆われているが、成葉になると無毛になり、やや白っぽい。葉柄の長さは10 ...