セロジネ属 Coelogyne は、ラン科植物の分類群の一つ。多くは白っぽい花を穂状に着ける。洋ランの一つとして古くから栽培される
セロジネは東南アジアを中心に分布するラン科植物の群で、洋ランとして古くから栽培されてきた。大きな葉を持つ着生ランで、白っぽい花を穂状に垂らして咲くものがよく知られているが、形態的にはより多様である。
学名は「へこみ」と「女性」を意味する2語からなり、これは柱頭が深く凹んでいることに由来するとされる。学名の読みとしてはコエロギネも有力だが、園芸ではセロジネが定着している。
普通は樹上や岩の上に着生する常緑性の多年草。茎は捕捉横に這い、先端に偽鱗茎を生じる。偽鱗茎は肥厚した卵形などで、互いに接して生じるか、やや間を開ける。鱗茎の先端に1から4枚の葉をつける。葉は楕円形で、やや硬くて肉厚。
花は偽鱗茎の先端に葉の展開と共に出るものと、偽鱗茎の基部から出すものがある。花茎には1花を付けるものから総状に多数花を付けるものまであり、花茎は立ち上がるものから下垂するものまである。また蕾は長い苞葉に包まれる。花茎の花は一斉に開花するタイプと次々に開花しながら花茎が伸び続けるタイプがあり、後者では数年に渡って伸び続ける種もある。 ...