ノトファグス・メンジエシイ(Nothofagus menziesii)は、ニュージーランドに自生するナンキョクブナ科の樹木で、英名を silver beech(シルバービーチ)あるいは Southland beech(サウスランドビーチ)といい、前者を全体的あるいは部分的に意訳して和名をギンブナやシルバーブナとした例が存在する。マオリ語では tawhai(タファイ)、tawai(タワイ)、tirowhārangi(ティロファーランギ)という。
高さ30mまで、直径2mまでになる常緑高木で、ときに大きい板根が出る。樹皮は若令木では銀白色であるが、年を経ると灰色を呈し、縦の割れ目が入って裂片化しささくれ立ってくる。若枝には褐色毛を布く。葉は三角状広卵形、または菱形からほとん ど円形で、長さ0.6-1.5cm、幅0.5-1.5cm、鈍頭ないし円頭、基部は広い楔形から円形、切形を示した左右不同である。厚い革質で、縁は厚目になって不規則な重鋸歯をもつ。下面の中肋を除き両面無毛の脉腋に縁毛がある。葉柄は長さ2mmで褐色毛を生ずる。新葉はしばしば黄色で縁が橙黄色を呈する。
材は散孔材で、辺材は灰白色で狭く、心材は淡紅褐色、紅褐色を呈し、両者の間に推移帯がある。生長輪は不明瞭である。木理は一般に通直、肌目は精で均質である。製材は普通、乾燥は材質によって変化があり、普通またはやや困難で木口割 ...