ロコト(rocotoまたはlocoto、学名Capsicum pubescens)は、ナス科トウガラシ属に属する植物。主に南米のアンデス地方で作られている唐辛子の一種である。
花は紫色。果実は丸い形状をしており、見た目は小型のピーマンのようである。熟すと赤や黄色になる。果肉は極めて辛い。種はさらに辛く、種まで食べるのはよほど辛いものが好きな人だけである(50,000–250,000スコヴィルほど)。他のトウガラシ属の植物とは異なり、種子が黒いのが特徴。種小名は「毛が生えた」という意味で、茎や葉が柔らかい毛で覆われているため。
アンデスの山間部が主な産地である。気温が18 - 20度程度で比較的乾燥している場所が生育に適している。インカ帝国よりも昔の時代(プレ・インカ)から栽培されていたとされる。日本では、長野県で栽培が試みられている。
ペルーやボリビアを中心に、中南米で様々な料理に用いられている。果肉を刻んで(時には種も)スープに入れたり、ヤホァ(サルサ)の材料にしたりする。ファルスを詰めて「ロコト・レジェノ」(rocoto relleno) という肉詰めピーマンに似た料理にすることもある。アンデスの料理を代表する味であるといえよう。生のまま用いると、独特の青臭い風味がある。風味に関してだけ言うと、生のピーマンがそれに近い(そもそもピーマンは唐辛子を辛くないように品種改良したものである)。 ...