オウシュウトウヒ(欧州唐檜、学名:Picea abies)は、マツ科トウヒ属の針葉樹。別名ドイツトウヒ、ヨーロッパトウヒ、ドイツマツ。
ヨーロッパ原産の常緑針葉高木で、アルプスなどの山岳地帯や、スカンジナビア半島の北方針葉樹林の主要樹種である。花期は5月頃。公園や庭園によく植えられている。モミの木などとともにクリスマスツリーとしてもよく使われるが、本来は高さ50メートルにも至る高木であり、直径も2メートルに達することがある。若木のうちはモミの木と区別が困難であるが、長さが10センチメートルを超える独特のコーン(球果)とやや固めの葉で区別が出来る。深根性のモミの木に対して、本種は浅根性で移植に対して耐性がある。成長が早く、そのため苗木は安価で流通している。日当たりを好み、乾燥を嫌う。
日本語ではドイツトウヒと呼ばれることがあるが、自然分布としては、ドイツではシュヴァルツヴァルトなど南部の標高の高い一部地域に分布するに過ぎず、英語名Norway Spruceが示す通り、本種の本来の分布の中心は、東ヨーロッパおよび北ヨーロッパにある。ドイツにおけるものは、ほとんどが人為的に植林されたものである。10メートルを超える高さになると小枝が下側に垂れ下がるようになり、独特の外観となる。生育は容易であるが、酸性雨や排気ガスには弱く、公害の深刻な地域では枯死することがある。寒冷への耐性があり、土壌は選ばない。防風林などにも適しているが、根張りが強くないために強風で倒れてしまうことがある。ま ...