オルキダンタ属 Orchidanta は、単子葉植物の1群。ランに似た花をつけるが全く異なる群であり、この1属のみでロウイア科 Lowiaceae を構成する。
オルキダンタ属はショウガ目に含まれる小さな植物群であり、東南アジアを中心に20種弱が存在するにすぎない。だが特殊で孤立した群であり、単独で一つの科、ロウイア科を構成する。地表からハランのような葉をつけ、地表近くに伸びる花茎に花をつける。
地表性の小型の植物で、花弁の一つがラン科のような唇弁になっており、ラン科の花に似て見える。学名は「ランの花」を意味し、花の形態にちなんだものである。糞虫を悪臭で誘引し、花粉媒介させる種が知られている。
多年生草本で、地下茎のみを持ち、地上に茎を伸ばさない。地下茎は仮軸状に伸び、鱗片状の葉をつける。葉は根生状に出て、二列に互生し、明瞭な葉柄があって、その形はユリ科のハランに似る。葉脈は中肋がはっきりしており、鋭角に出る数対の側脈があり、それらの間は細い不明瞭な葉脈でつながる。これは生品では確認しづらく、乾燥標本ではよりよく見て取れる。葉が出てくる際、その両側が巻いて一方に他方が被さっている。
花は地表近くに伸びる花茎に密生して、あるいはまばらにつく。花茎は仮軸状に側枝を出し、それぞれに一個の花を生じる。花は往々にして悪臭を放つ。花の基部に苞があり、両生花で、子房の先端は長くなって柄のように伸 ...